安楽寺 浄土真宗本願寺派 千葉山安楽寺
親鸞聖人御一代 第四回 仏教研修会2010
千葉昭彦
◎親鸞聖人御一代 第四回
  (妙音 平成22(2010)年夏版 千葉山安楽寺機関誌 掲載)
  (安楽寺報 平成22(2010)年夏版 千葉山安楽寺機関誌 掲載)

○吉水修学 京都市東山区吉水
写真
左は善心聖人御絵伝 法然上人の選択集書写・絵像書写の図
 比叡山での二十年にあまる修行では、解決がつかず、六角堂に百日参籠、聖徳太子の示現に従い、吉水に法然上人を尋ねた。

「聖人は六角堂にこもったように、また百日の間、吉水法然上人のもとに、雨が降ろうが、日が照ろうが、どんな大事な用件があってもすておいて、毎日毎日一日も欠かさずに、たずねて教えを聞いた。そして、善人であろうと、悪人であろうと、ただ一筋に念仏をとなえることが、救われる道であると教えられた。その法然上人の言葉をかたく守り、他人が念仏について、かれこれといったときにも、自分は今まで迷いの世界をさまよい、悟りを開くことができず、念仏よりほかに救われることのない身であるから、師法然上人の行くところが、たとえ地獄であっても、自分はおともしていくのである」と妻恵信尼様の手紙に詳しくつづられている。

 法然門下に入り綽空と改名した。以後も念仏の教えを正しく受け継ぎ、ついには法然上人から撰択本願念仏集の書写を許され、法然上人絵像の書写も許される。この時期に善信と改名し、浄土門山内での地位を確立した。善心聖人御絵伝