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浄土真宗の歴史に学ぶ
(仏教研修会 第360回) 2004/5/16
千葉 乗隆
『歎異抄』が語る親鸞聖人23
   
  1. 『歎異抄』の第十四条 その二


  • 第十四条は 先月 今月の2回にわたり講義を行いました   この為第十四条の全文は先月の第359回にまとめて掲載しました なお 下記に今回の資料を掲載しました 
江戸時代、西本願寺の三大法論
  1. 承応鬩牆(承応二年〔一六五三〕−明暦元年〔一六五五〕)

 学林(初代能化西吟) 対 月感。西吟の講義が聖道門的。
 本山(良如『破安心相違覚書』) 対興正寺(准秀『安心相違覚書』)
 幕府裁定。学林破壊。准秀・月感は流罪。
  教如(東本願寺)       
顯如−− 顯尊(興正寺)−− 准尊−− 准秀
  准如(西本願寺)− 良如  

    西吟(初代能化)
了尊−−  
月感
  1. 明和法論(明和二年〔一七六五〕−明和五年〔一七六六〕)
 学林(五代能化義教) 対 智暹。四代能化法霖の本尊論批判。
 本山(法如) 対本徳寺(法静)
 学林は二条所司代に公訴したが、本山は公訴を取り下げる。
  法霖(四代能化)−− 義教(五代能化)
若霖(三代能化)−−    
  智暹  
  1. 三業惑乱

 学林(六代能化功存・七代智洞、新義派) 対道隠・大瀛等古義派。
 本山(文如・法如) 対興正寺(法高)
 幕府裁定。古義派の勝利。
  道隠(堺空華)
僧撲−− 僧鎔(空華廬)−−  
  柔遠(越中空華)
  大麟  
関係史料
  1. 寛文五年(一六六五)幕府の「定」
第二条
 一宗の法式を存せざるの僧侶、寺院の住持たるべからざること。
 付、新義をたて、奇怪の法を説くべからざること。

第三条
 本末の規式これを乱すべからず。たとひ本寺たりといえども末寺に対し理不尽の沙 汰あるべからざること。

  1. 享和三年(一八〇三)閏正月、学林より本山へ提出の願書

 (前略)近年、諸国において不正義を申し立て、学林をかえって不正義の様に申し 触し、先職・当職を誹誘つかまつり候輩これあり。甚だしきにおいては三業新法門などと申 かけ惑乱候に付(以下略)

  1. 寛政元年(一七八九)興正寺法高「真宗安心決正消息」

 (前略)一念帰命の処において信の優劣を沙汰し、三業並べ調へて帰命せざれば信 を得がたしと勧め、帰命の一心を煩わしく三億の中の欲生に配し、これより流れて信心決定 の時日を記せざれば所詮なきように心得る(以下略)