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「選択集」(選択本願念仏集)と影像を授かる 法然上人門下の高弟となる
師匠の思想を正しくうけついだ門弟は、師説をしるした著書を写すことを許さ
れ、また師匠の肖像画を授かった。親鸞聖人は入門して4年後にこれらを許された。
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親鸞聖人は元久2年(1205)4月14日に『選択集』を書写して法然上人のもとに
持参した。法然上人は筆をとって『選択本願念仏集』という本のタイトルと
「南無阿弥陀仏、往生之業(浄土に生まれる手段は)、念仏為本(念仏す
ることが根本)」の字と、「釈綽空」という当時の親鸞聖人の名を書いた。
親鸞聖人は比叡山では範宴と称していたが、このころ綽空と改めていた。綽
空は中国の道綽と師匠の源空上人(法然上人)からそれぞれ一字を借りて名乗っ
たものである。
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親鸞聖人は『選択集』に法然上人のサインをもらった4か月後、閏7月29日に、
法然上人の肖像画ができたので持参すると、法然上人は絵の上部に讃文をしるし
た。まず「南無阿弥陀仏」と名号を書き、ついで「若我成仏、十方衆
生、称我名号、下至十声、若不生者、不取正覚、彼仏今現在成仏、
当知本誓重願不虚、衆生称念必得往生」という文をしるした。
この
讃銘の意味は「(法蔵菩薩は)もし私が仏(阿弥陀仏)になったなら、世
界中の人びとが、南無阿弥陀仏と私の名をとなえると、たとえその念仏
がわずか十声であっても、その人が浄土に生まれなければ、私は仏にな
らないと誓いをたてられた。その法蔵菩薩は、すでに仏になっておられ
るので、念仏する者は必ず浄土に生まれることができる」(『往生礼讃偈』)
という内容である。
このとき親鸞聖人は、綽空という名を善信と改めた。この名は中国の善導大師
と日本の源信和尚から拝借し名乗った。後年、親鸞聖人と称するが、これもイン
ドの天親菩薩と中国の曇鸞大師から拝借したとみられる。
以下に右ページのテキスト部分を記載します
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法然上人、肖像画にサイン
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法然上人が親鸞聖人にあたえた肖像画は墨
染(黒色)の衣に墨染の袈裟をか
け、畳の上にすわり、右手をすこ
し上にして両手で数珠をつまぐり
ながら念仏する姿が描かれてい
る。
讃銘は、善導の『往生礼讃偈』
の文を引用したものである。『無
量寿経』の第十八願の最後に、
「五逆罪と正法をそしる者は、浄
土に生まれることはできない」と
ある言葉を善導は削除して、「念
仏する者は必ず浄土に生まれるこ
とができる」とした。
母(仏)は
口では「いたずらをすると、助け
てあげませんよ」という。しかし、
本当は子が可愛くてしかたがな
い。その母の心中を善導は明らか
にした。この画像は、親鸞聖人の門弟
念信の遺跡である愛知県岡崎市の
妙源寺に所蔵されている。
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