吉野川交流推進会議機関誌 四国三郎吉野川 2004年冬号 この人と吉野川
「竹の声を聞く、川の声を聞ける 子供を育てたい」
吉野川 美馬未来塾2004 美馬未来塾委員長 千葉昭彦さん
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古い寺院が立ち並ぶ美馬郡美馬町の寺町界隈の中で、一際立派な佇まいの安楽寺。千葉昭彦さん(58歳)は安楽寺副住職にして、町づくりグループ「美馬未来塾」の委員長さんです。
「吉野川の竹はいいものなのに、時代に取り残され、悲鳴を上げている」と千葉さん。吉野川沿岸の竹は、藩政時代に人々を災害から守る水防林として植えられたものです。昔は、農具や生活用具作りに竹は必需品で、特に美馬町では、伝統工芸の和傘の原材料として大切に手入れされていました。しかし、現在は手入れされることもなく竹林は荒れ放題。訪れる人も少なくなっています。
美馬町から文化を発信したいと、安楽寺に本格的な能舞台を建設。「美馬能楽の会」を立ち上げ、年2回の公演を開催しています。写真は2004/10/31に行われた能楽鑑賞会の模様。" />
美馬未来塾では 「竹に笑顔を取り戻してもらおう」と、一昨年から竹を活用した町づくりに取り組んでいます。竹林の間伐を行い、切り出した竹で竹垣、竹炭、食器や遊具などを作成。なかでも好評だったのが竹灯籠。
大晦日から元旦にかけて寺町界隈を250本の竹灯篭でライトアップしたのです。幻想的なプロムナードに、初詣でに訪れた人々は歓声を上げたとか。
「竹の活用は、自然との共生というだけでなく、命を考えることに繋がります」 −−川や竹の声に耳を傾け、その存在意義を認められれば、きっと、人と人との繋がりも大切にできるはず−−。 千葉さんのそんな思いが伝わってきました。
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吉野川交流推進協議会機関誌 四国三郎吉野川 2004年冬号
から引用しました
安楽寺 注
寺町には、浄土真宗の『安楽寺』
『西教寺』
『林照寺』、
真言宗の『願勝寺』、
また『郡里廃寺跡』等があります。
2004年大晦日 2005年元日 安楽寺初め各寺院などの境内、門前にて竹灯籠による灯明を掲げました。また今後も継続した行事とする予定です。
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